
過去にやり取りしたお客様からLINEでご相談があったので、その相談内容と回答内容をもとに深堀りして紹介していきます。
1. 症状の要点(実例ベース)
- 現象:出勤すると氷ができていない。リセットを押すと溜まっていた氷が押し出され、その後は製氷が再開する。
- 補足:営業中は問題なく製氷している。
- 一次結論:室温(周囲温度)の上昇が主犯の可能性が高い。閉店中の昼間、厨房や店内が高温になると保護が働く/能力が落ちる→製氷サイクルが成立しない→朝に氷がない、というパターン。
ここ数年、夏季はこの相談が急増しています。「夜は作る、昼は止まる」は典型的な環境温度依存の症状です。
2. なぜ“室温”で氷が止まるのか(仕組みをざっくり)
多くの業務用製氷機は、カタログ能力を周囲温度30℃・水温25℃あたりを基準に表記します。周囲温度・水温が上がると、
- 放熱が追いつかない
コンデンサー(放熱フィン)から熱が抜けず、圧力・温度が上昇。機種によっては保護回路が働く。 - サイクルが伸びる
製氷1回あたりの時間が長くなり、落氷まで届かない。 - 夜間は回る
夜は室温が下がり、エアフローも落ち着くためサイクルが成立する。→朝に氷が出てくる説明がつきます。
リセットで氷が押し出されるのは、収穫(落氷)側へ強制的に移行しているため。根本の「暑さ」が解消されなければ再発します。
3. いますぐできる“環境”の対策(優先度順)
A. 日中もエアコンを運転(最も効果大)
- 設定:28~29℃の弱運転でも可。高温ピークを避けることが目的。
- 費用の目安(例):0.7kWのエアコンを8時間運転 → 0.7×8=5.6kWh。電力単価31円/kWhなら約174円/日。
さらに強い1.0kWなら8kWh→約248円/日。 - 比較:袋氷の購入やビール提供の遅延に比べれば、安い“保険”になります。
B. 吸気・排気の通り道を開ける
- 前面グリル/フィルターの清掃(油埃で目詰まりしやすい)。
- 壁からの離隔を確保(前面吸気・前面排気でも左右/背面に熱だまりができやすい)。
- ※フィルター欠損のまま使用するとフィンの潰れ・汚れ固着→能力低下の悪循環になります。簡易フィルターの代替設置も検討を。
C. 放熱を助ける
- サーキュレーターで風を当てて、機器前面~上方へ熱を逃がす。
- 近くの熱源(食洗機・製氷機上の保温機器・ガス台)を遠ざける/同時運転の見直し。
D. 水温・水量を整える
- 止水栓が半開で給水不足 → サイクルが伸びる例あり。
- 水道の引き回しでお湯管に触れて温水化していないかを確認。
4. 原因切り分けチェックリスト
- □ 朝だけ氷がない/昼だけ止まる(→室温疑い強)
- □ グリル・フィルターに埃(→清掃)
- □ 前後左右の隙間が狭い(→離隔)
- □ 室温計を設置し、ピーク時の温度を記録(30℃超が続く?)
- □ 水量・水温(止水栓、温水化の恐れ)
- □ エラーランプの点灯・点滅(型式・点滅回数をメモ)
- □ 排水詰まりでドレンパン溢れ → 周囲湿度上昇も見逃しがち
ここまでで改善しない場合は、コンデンサーファン・冷媒系の点検や基板の温度保護など“中側”の可能性も。無理はせずご相談を。
5. Q&A
Q1. 昼間にエアコンつけっぱなし、電気代が怖い。
A. 目安の計算式は消費電力(kW)×時間(h)×単価(円/kWh)。例:0.7kW×8h×31円=約174円。
袋氷2kgの仕入れや客席の待ち時間コストより安いケースが大半です。
Q2. リセットで一度出て、その後は作る。故障?
A. 環境由来の一時停止(温度・圧力保護)が濃厚。冷やす環境を作るのが先決です。
Q3. 夜間のみ運転にして電気代を節約したい。
A. 朝のピーク需要に間に合わない・氷質が不安定になりがち。最低でも日中の高温帯だけ弱運転を推奨。
Q4. それでもダメ。何を伝えれば早い?
A. 型式、症状の時間帯、室温の記録、正面/銘板/グリルの写真。この4点で診断スピードが倍になります。
6. それでも回らないとき――修理?それとも売却?
- 修理が向く:夜は十分作る/環境改善で回りそう/年式が比較的新しい。
- 売却・入替が向く:年式が古い、フィン損傷・基板保護頻発、営業を止められない。
→ 当社は壊れかけ/動作不安定でも先払いで買取、集荷手配・梱包不要までワンストップ。
→ いま使っているサイズからアイスストッカー等への入替相談もOKです(最適容量の目安も提示します)。
7. 現場がラクになる“写真3枚テンプレ”+メッセージ
写真
- 正面全体(吸気口・設置環境が見える)
- 銘板アップ(型式・電源・冷媒=回収/修理の根拠)
- グリル/フィルター近景(埃・損傷・詰まり)
メッセージ例(そのままコピペOK)
メーカー/型式:例)ホシザキ IM-○○
症状:昼間は氷ができず、夜は作る/リセットで一度出る
設置:例)厨房内・前面吸気、左右5cm、背面10cm
室温:例)14–17時は31~33℃(温度計)
希望:まずは改善提案、難しければ買取査定(先払い希望)
8. まとめ
「氷ができてない」。その一行は、営業のリズムが止まる合図です。
でも、原因が室温なら、今日からできる対策で変わります。日中の弱運転・グリルの清掃・風の通り道――大げさな投資はいりません。
それでも間に合わないなら、片づける選択肢もある。私たちは先にお金をお渡しし、回収まで段取りします。あなたはLINEで型式と症状を一言送るだけで大丈夫です。
無料査定・買取の流れ(最短24時間)
- LINEで相談(型式/症状/写真3枚)
- 目安金額をご提示(先払い可、見積りは原則24時間以内)
- 集荷を手配(梱包不要/給排水の外し方もガイド)
- 回収・完了(当日着金済なら、そのまま受け渡し)
