
業務用製氷機は、飲食店やカフェ、ホテルなどで欠かせない存在ですが、一部の樹脂パーツが破損するだけで製氷が止まってしまうことがあります。今回ご紹介するのは、パナソニックの製氷機「SIM-S2500」における修理事例です。動作未確認で持ち込まれたこちらの製品を分解してみたところ、製氷機構を支える樹脂パーツ(スプリングブラケット)が割れていたため、結果的にまったく製氷できない状態でした。
本記事では、
- SIM-S2500のスペックや特徴
- 破損していた樹脂パーツの交換修理の流れ
- 似た症状で想定される他の故障パターンやコスト感
- 修理が難しい場合に便利な高価買取サービス
などを詳しく解説します。製氷機の故障でお困りの方、修理か買い替え(または売却)で迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。
1. SIM-S2500の概要とスペック
まずは今回修理した「SIM-S2500」の基本情報からご紹介します。流通上は「SIM-AS2500」と表記されることもありますが、基本的には同等モデルです。アンダーカウンターに設置しやすいコンパクトサイズながら、1日あたり最大約29~31kg(室温20℃・水温15℃)」の氷を製造可能なキューブアイス製氷機として人気があります。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
製氷方式 | セル方式(キューブアイス) | 1回あたりのキューブ寸法:28×28×32mm |
1日製氷能力 | 約29~31kg(室温20℃/水温15℃) 約24~26kg(室温30℃/水温25℃) | 50Hz / 60Hz の違いを併記 |
貯氷量 | 約12kg(自然落下:7kg) | 背の低いアンダーカウンターでも扱いやすい |
外形寸法 | 幅395×奥行450×高さ800(mm) | 厨房スペースを圧迫しにくい |
電源/消費電力 | 単相100V (50/60Hz) - 210/240W | 運転電流 約3.4〜3.6A |
冷媒 | R-134a(約180g) | 比較的環境負荷の低いノンフロン系 |
質量 | 約39kg | 本体重量が軽めで設置が比較的容易 |
このクラスの製氷機は、小規模飲食店やカフェ、バーはもちろん、病院やオフィスの給湯スペースでも活用されています。「省スペースでありながら、しっかり氷を作れる」という点で需要が高いモデルです。
2. 今回の故障症状:樹脂パーツが割れて製氷不可
症状の概要
- 動作未確認の状態で持ち込み
- 製氷機構内のバネを取り付けるプラスチック樹脂(スプリングブラケット)が割れている
- その結果、製氷サイクルが最後まで実行されず、氷が全く落ちてこない(製氷できない)

実際に分解すると、写真でもはっきりわかるほど樹脂がパックリ割れていました。ここが欠損すると、氷を落とす動きがうまく機能せず、製氷はおろか氷の排出もできない状態に陥ります。
なぜ樹脂部品が割れるのか?
製氷機内部の温度や湿度は使用環境によって大きく変化します。冷却時と排出時では温度差が激しく、さらに水分の影響で樹脂部品が徐々に劣化します。加えて、常にバネの力がかかる部分は応力集中が起きやすく、経年劣化でひび割れが進行することが一般的です。
3. 修理作業の流れ:部品交換・分解清掃・薬品洗浄
今回の修理は、単純に「割れた樹脂パーツの交換」で完了するわけではありません。故障部位を特定・交換するだけでなく、せっかく分解するなら「分解清掃」や「凝縮器の薬品洗浄」も同時に行うのがベスト。長年使っていると、ファンや冷却フィンにはホコリが詰まりやすく、製氷速度が落ちる原因となります。
作業工程
- 動作確認・分解
- 電源を入れてコンプレッサーやファン、給水ポンプが通電するかチェック
- 天板や前面パネル、氷槽ユニットを順番に取り外し、故障部位にアクセス
- アンダーカウンター型のため、背面スペースを最低30cmは確保
- 破損パーツ(スプリングブラケット)の交換
- 割れていたABS樹脂の旧部品を取り外し、新しいブラケットを装着
- バネ自体に伸びや錆がなければ再利用可能
- 最近の交換部品は材質がPC樹脂に改良されているため、耐久性が向上
- 製氷部ユニットの分解清掃
- スケール(カルシウム汚れ)や不凍液残渣などを食品機械用のクエン酸系洗浄剤で除去
- アイススコップや氷出口ガスケットも状態をチェックし、劣化していれば交換
- 洗浄液が銅配管などに触れすぎると腐食リスクがあるため、pH値を注意
- 凝縮器の薬品洗浄
- 熱交換フィンにアルカリ性フォームクリーナーを散布→逆洗→乾燥
- 送風ファンを養生し、モーター絶縁を保護する
- 組立・試運転
- 製氷サイクル(充水→凍結→収穫)を少なくとも2サイクル確認
- 放熱温度が45℃以下で安定するか、氷の厚みにバラつきはないかチェック
- 必要に応じて氷厚み調整用のボリュームを微調整



修理時間の目安
破損部品の特定と交換、分解清掃、薬品洗浄など一連の作業を含めて、約半日(3~5時間程度)が目安です。部品の在庫があれば即日対応も可能ですが、在庫切れや複数箇所の不具合が重なる場合は、1~2日かかる場合もあります。
4. SIM-S2500のよくある故障パターンと対策
今回の修理は樹脂パーツ破損でしたが、SIM-S2500に限らずパナソニックの業務用製氷機でよくある故障パターンを以下にまとめます。トラブルの原因と早期対策を知っておくと、急なダウンタイムを減らすことが可能です。
故障モード | 主な原因 | 現象 | 対処法 |
---|---|---|---|
樹脂部品(スプリングブラケット)破損 | 経年劣化・冷熱サイクルによる応力集中 | 製氷ストロークが完了せず、氷が落ちない/製氷不可 | ブラケットASSY交換(2,000~3,500円)+ バネ点検 |
A3エラー(ETセンサー異常) | 蒸発器温度センサーの故障、コネクタ不良 | 製氷途中で停止・自己診断表示A3 | ETセンサー交換(部品代3,000円前後) |
過負荷保護停止 | 凝縮器フィン詰まりによる高圧過熱、ファン不良 | 異常停止/氷が薄い | 防塵コンデンサー清掃、薬品洗浄 |
水漏れ | 給水電磁弁パッキン劣化、排水ホースの亀裂 | 庫内や床面への漏水 | 電磁弁 Oリング交換、ホース交換 |
A3エラーの修理費用はどうなる?
A3エラーが出る原因はセンサーだけでなく、センサーを制御する基板や冷媒系統の問題など複合的な可能性もあります。出張費などを含めると2~4万円程度の修理費用になることが多いです。これ以上の額になる場合は、修理 vs. 買い替え(もしくは買取)を検討するタイミングかもしれません。
5. 修理費用と買取価格の目安:どちらがお得?
製氷機の故障が「一ヶ所だけ」なのか「複数箇所に及ぶのか」や、「使用年数」や「製氷機の稼働状況」によって、修理が得か、買い替え(売却)が得かは異なります。以下の表は、おおまかな目安としてご覧ください。
状態 | 修理概算 | 売却査定 | 判断ポイント |
---|---|---|---|
部品欠損1点のみ(今回のケース) | 約1.5~3.5万円 | 1~2万円 | 使用年数7年未満なら修理が妥当 |
基板+コンプレッサー故障 | 約8~12万円 | 3~5万円 | 原価回収優先なら買取→新型への買い替えも検討 |
年式10年以上 & 複数の不具合 | 約5~8万円 | 0.5~1万円 | 修理を繰り返すより省エネ機へ切り替えが得策の場合も |
製氷機は、氷が作れないとお店の売上に直結しかねない重大な設備です。「もう古いし、いずれまた別の部位が壊れるかも…」と不安な場合は、思い切って買い替え+壊れた製氷機の買取を利用して資金を回収する選択肢も賢い方法です。
6. 修理相談もOK!壊れた製氷機は高価買取します
「氷の錬金術師」では、修理のご相談から壊れた製氷機の高価買取まで幅広く対応しています。今回のように樹脂パーツ一つが原因で動かなくなっているケースでも、まずは修理が可能かどうか見極めることが大切です。見積もりや査定は無料ですので、お気軽にお問合せください。
修理だけでもOK
- 「樹脂パーツ交換で済むなら、もうしばらく使いたい」
- 「A3エラーが出るけど、どこまでの修理が必要か知りたい」
- 「飲食店なので、できるだけ早く直してほしい」
といった切実なお悩みに、迅速に対応します。専門スタッフが現場に伺い、部品交換が可能かどうか即座に判断します。
修理が難しければ「高価買取」
- 冷却ユニットや基板が壊れており、高額修理が予想される
- 古いモデルで部品調達が難しい
- 10年以上使ってきて別の故障も怖い
こうした場合は、壊れていても積極的に買取させていただきます。通常の下取りだと0円やマイナス査定になるような古い機種でも、私たちは再生・リユースを前提としているので最低1万円以上での買取実績が多数ございます。
7. まとめ:早めの対処でロスを最小限に
- SIM-S2500は、省スペースながら1日約29~31kgの氷を作れる業務用製氷機
- 樹脂パーツ破損やA3エラーなど、意外なトラブルが多いので定期メンテナンスが重要
- 一部部品の交換だけで済むなら修理コストは比較的抑えられる(1.5~3.5万円程度)
- 複数箇所の故障や10年以上使用の古い機種は、修理より買取を活用した買い替えも検討
- 壊れていても高価買取可能なので、処分する前にまずは査定や相談をしてみると安心
飲食店やカフェで製氷機が止まってしまうと、「せっかく来店されたお客様に冷たい飲み物やカクテルが提供できない」など大きな打撃になります。ロスを最小限に抑えるためにも、異音や水漏れ、氷のサイズ異常などがあったら早めに修理・点検を依頼しましょう。もし修理が高額になりそうなら、壊れたままでも高価買取できる選択肢もあるので、設備投資の最適化が図れます。
「SIM-S2500が動かない…もうダメかも?」 と思ったら、あきらめる前にぜひ一度ご相談ください。修理か買い替えか迷う場合でも、正確な見積もりや買取価格の提示があれば、より安心して決断できるはずです。LINEや問い合わせフォームから、ご都合のよいタイミングでお問い合わせいただけます。あなたの製氷機トラブルが少しでも早く解決し、ビジネスがスムーズに運営されるよう、真心を込めてサポートいたします。
以上が、パナソニックの製氷機「SIM-S2500」を例とした修理実績と、修理 vs. 買取の判断ポイントについての解説です。壊れてしまったからと言って、すぐに廃棄するのはもったいないかもしれません。「修理」か「買い替え&売却」か、まずは無料で相談できるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。大切な製氷機を復活させるお手伝い、または新しい設備への切り替えサポートで、皆様のビジネスを応援します。