
飲食店やカフェ、バーなどで欠かせない業務用製氷機ですが、思わぬ部品の故障で製氷が止まってしまい、お店の営業に支障が出るケースは少なくありません。今回ご紹介するのは、ホシザキ製の業務用製氷機「IM-35L」。中古で「動作品」として購入したはずが、実際に動作確認をしてみると、排熱用ファンモーターが動かないというトラブルが発覚しました。
とはいえ「真冬の外気」という思わぬ条件が故障の発見を遅らせることも…。ファンモーターが回らなくても冷たい外気のおかげで一時的に氷が作れてしまい、出荷検査では問題が見つからなかったようです。本記事では、今回の修理事例を詳しく解説するとともに、修理か買い替え(もしくは売却)でお悩みの方向けに判断のポイントもお伝えします。壊れた製氷機でも高価買取が可能ですので、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の状況にあった選択肢を見つけてください。
1. 修理した製氷機:ホシザキ「IM-35L」とは?
ホシザキは、日本を代表する業務用厨房機器メーカーの一つで、特に製氷機のシェアが高いことで知られています。今回修理した「IM-35L」は1日最大約35~38kgのキューブアイスを作れるモデルで、スリムな本体サイズのわりに安定した製氷能力を持つことから、飲食店やホテルの一角などに設置されることが多い機種です。
IM-35L-1の基本スペック
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
製氷方式 | セル方式キューブアイス | キューブ寸法 28×28×32mm(公称) |
1日製氷能力 | 36/38kg(室温20℃/水温15℃)30/33kg(30℃/25℃) | 50Hz / 60Hz の違いを併記 |
貯氷量 | 自然落下:約11.5kg最大ストック:約18kg | 用途によっては"脚付モデル"も選択可 |
外形寸法 | 幅503×奥行456×高さ850(mm) | 比較的コンパクト |
電源/消費電力 | 単相100V (50/60Hz) - 275/285W | 運転電流:約6.6A |
質量 | 約51kg | 一人での運搬には注意 |
ポイント: このクラスの製氷機は、1日に30kg以上の氷が必要な小中規模店にぴったりです。ホシザキブランドの信頼性や、セル方式による高品質なキューブアイスが人気の理由となっています。
2. 故障の症状と原因:ファンモーター停止で排熱できない
見つけにくい「真冬の屋外」でのトラップ
今回の製氷機は「一応動いている」と聞いていたのですが、いざ動作確認すると排熱用ファンがまったく回らないことが判明しました。通常であれば、コンプレッサーが稼働して冷媒を循環させる際、凝縮器(コンデンサー)を冷却するファンモーターが同時に回らなければ、熱がこもってしまい十分に製氷できません。
ところが、真冬の屋外という特殊な環境では、外気温が非常に低いため、ファンが止まっていても自然放熱だけでコンデンサーを冷やせてしまうことがあります。出荷時の短時間テストであれば問題なく氷ができるため、「動作品」として流通してしまう可能性が高いのです。
原因:ファンモーター断線or焼損

調べてみたところ、ファンモーターそのものが断線or焼損しており、電源を供給しても回転しない状態でした。ホシザキ製氷機の場合、ファンが回らないまま運転を続けると内部冷媒圧が上昇し、最終的には安全装置が作動してエラーコード(E7)を表示することが多いです。今回も、もし温暖な環境で稼働していれば、すぐに「氷ができない」「高圧保護で止まる」といったトラブルに直結していたはずです。
3. 修理の流れ:ファンモーター交換・薬品洗浄・分解清掃
故障原因がファンモーターにあると特定したら、パーツを交換し、同時に周辺の凝縮器や製氷ユニットをしっかりメンテナンスするのがポイントです。以下は今回実施した主な作業工程です。
1. 動作確認&分解
- サービスカバーを外し、ファンモーターへの電源端子で無負荷状態のAC 100Vを確認
- 電気は来ているのにモーターが回らないため、モーター単体不良を断定
- IM-35L-1は前面からユニットを引き出す構造で比較的アクセスしやすい
2. ファンモーターの交換
- 純正のモーター(型番:440916-01 相当)を新品に交換
- シャーシ固定用のM4×16mmビス4点を取り外して付け替え、隣接ハーネスを結束し直す
- 羽根の偏芯(ブレ)がないよう慎重に位置調整
部品の価格相場は1.1~1.7万円程度(海外通販のUS$換算)で、工賃を含めると2~4万円前後が目安です。
3. 凝縮器(コンデンサー)の薬品洗浄
- アルカリフォーム系クリーナーを吹き付け、5分ほど反応させてから逆洗
- 洗浄前はフィン部分の温度が85℃近くまで上昇していたが、洗浄後は約47℃に低下
- ホコリや油脂汚れが落ちると熱交換効率が向上し、製氷スピードが回復
4. 製氷ユニットの分解清掃
- 水皿や氷厚センサー、スコップ受けなどを外して、食品機械用クエン酸系クリーナーでスケール(カルシウム汚れ)を除去
- 腐食や劣化が見られたガスケット類は交換を検討し、異臭や雑菌繁殖を防ぐ
5. 組立&試運転
- 元通りに組み立て、実際に2サイクル以上連続で製氷を確認
- 室温20℃前後の条件で、1サイクル平均22分程度で氷が落下
- ファンモーターも正常回転し、エラー表示が出ないことを確認して完了
この一連の作業は、部品の在庫があれば半日程度で終わります。単に故障部位だけを交換するのではなく、コンデンサーや製氷部もあわせて洗浄することで、次のトラブル発生リスクを大幅に下げられます。


4. ホシザキ製氷機の代表的トラブルと修理費用の目安
ホシザキの製氷機は信頼性が高いとはいえ、長年使っているとファンモーター以外にもさまざまなトラブルが起こることがあります。下表は、代表的な故障モードと修理費用の目安です。
故障モード | 典型エラーコード | 修理概算費用 | 主な対策・症状 |
---|---|---|---|
ファンモーター停止 | E7 | 2~4万円 | モーター焼損・断線。排熱できず高圧停止へ |
ポンプモーター不良 | E8 | 3~5万円 | 給水系に水が循環せず、氷が薄いorできない |
基板(コントローラ)故障 | ― | 7~10万円 | 加工不可の場合は交換or売却も検討 |
スケール詰まり | ― | 1~2万円 | 化学洗浄で改善。定期メンテで予防可能 |
ポイント: 年式や使用頻度によって同じエラーでも修理費が上下します。特に基板故障やコンプレッサー故障など、大掛かりな修理が必要な場合は5万円~10万円以上になることも珍しくありません。その場合は修理か買い替えか、あるいは買取を検討した方が結果的にコストを抑えられる可能性があります。
5. 修理か買い替えか?買取で損を減らす方法
製氷機は「修理が安く済むケース」と「買い替えや売却が賢明なケース」が存在します。下記はあくまで目安ですが、今後の維持費用なども含めて検討すると、結局は新型へ乗り換えた方が安上がりになることもあります。
年式 | 故障点数 | 修理費 | 買取査定 | 推奨 |
---|---|---|---|---|
~7年 | 1箇所(ファンなど) | 2~4万円 | 1~2万円 | 部品交換で延命し、まだまだ使える |
8~10年 | 2~3箇所(基板+ファンなど) | 6~10万円 | 3~4万円 | 状況次第。再修理リスクが高いなら買い替えも |
10年以上 | 複数の不具合 | 8万円超 | 0.5~1万円 | 買取→新品または中古の後継機が経済的 |
たとえば、
- 「使用7年未満でファンモーター1箇所の不具合だけ」という場合 → 2~4万円で修理し、延命するのが得策
- 「10年以上使っていて基板やコンプレッサーも壊れそう」という場合 → 修理費が高額になる前に壊れたままでも買取に出し、買い替えを検討すると結果的に省エネ性能などでお得になる
製氷機は常に電源を入れっぱなしという特性上、新型ほど省エネ性能が高く、年間電気代の差額もバカにできません。売却益と電気代削減を合わせると、買い替えの方が長い目で見てお得になるケースも珍しくありません。
6. 修理相談もOK!壊れた製氷機は高価買取します
「ファンモーター故障程度なら修理して使い続けたい」「基板もやられているらしいし、高額修理になるなら諦めて売りたい」など、お客様によって状況はさまざまです。そこで当店では、
- 修理のご相談
- 故障・年式問わず、製氷機の高価買取
の両面でサポートしています。
修理だけでも大歓迎
- 「エラーコードが出るけど、原因を特定してほしい」
- 「使用年数はそこまで経っていないので、部品交換で直るなら使いたい」
- 「なるべく早く直して、営業に支障を出したくない」
このようなお悩みがあれば、ぜひまずは無料でご相談ください。経験豊富なスタッフがヒアリングを行い、現場にお伺いするか、もしくは画像・動画などで原因を推測しながら概算見積を出すことも可能です。
修理が難しいときは「高価買取」
- 古い型式で大掛かりな修理が見込まれる
- 10年以上使っていて部品の供給も不安
- そろそろ省エネ機に替えたい
こうしたケースでは、壊れたままでも「最低1万円以上」で買い取れる可能性があります(機種・年式による)。通常なら0円や処分費用がかかる古いモデルでも、当店は「再利用・リユース」を前提として積極的に査定いたします。
査定方法もとても簡単で、LINEやお問い合わせフォームから製氷機の写真や症状を送るだけ。24時間以内にスピード査定し、お見積りにご納得いただければその後は梱包・発送を進めるだけです。
7. まとめ:早期対処でダウンタイムを最小限に
- ホシザキ「IM-35L」は35kgクラスの定番モデル。真冬の屋外テストでファンモーター故障を見逃す事例もあるので要注意。
- ファンモーターが回らないと排熱できず、コンプレッサーに負担がかかり、最悪エラー停止(E7)に。
- 部品交換と同時に凝縮器・製氷部の洗浄を行うと、熱交換効率や氷の品質が一気に回復。修理時間は半日ほど。
- 修理費用が2~4万円程度で収まるなら修理が妥当だが、10年以上で複数故障箇所がある場合は高価買取→後継機が経済的。
- 壊れている製氷機でも、最低1万円以上の査定実績多数。諦める前にまずは無料相談を。
「氷がないとドリンク提供ができない…」「冷たいメニューが出せずに売上ダウン…」――そんな事態を避けるには、早めの修理・メンテナンスが鍵です。仮に修理が難しくても、買取サービスで少しでも費用を回収し、新しい製氷機への切り替えをスムーズに進めることが可能です。
▼ 今すぐ無料査定・修理相談はこちら
壊れた製氷機を放置しておくのはもったいないですし、状況を悪化させるリスクもあります。ぜひお気軽にご相談いただき、コストとダウンタイムを最小限に抑えながら、ビジネスを円滑に進めていきましょう。皆様が安心して製氷機を運用できるよう、私たちが全力でサポートいたします!