
経年劣化しやすい消耗部品の1つに“ゴムホース”があります。今回は、ホシザキのロングセラーモデル「IM-25L-1」におけるゴムホースの裂けが原因で、給水がうまく循環せず氷ができない症状を修理しました。機種が古いだけに、
- ゴムホースのパーツ在庫はあるのか?
- 修理費用はいくらぐらいかかる?
- そもそも買い替えた方が得なのか?
などの不安もあるでしょう。本記事では、修理手順や費用の目安に加え、もし修理が難しい場合に活用できる高価買取サービスも紹介しています。営業中の緊急対応やコスト最適化のヒントになれば幸いです。
1. IM-25L-1の概要とスペック
ホシザキ製の「IM-25L-1」は、小規模店舗やバーなどの限られたスペースで重宝される25kgクラスのキューブアイス製氷機です。製氷能力は1日あたり約24~26kg(室温20℃/水温15℃)と、少人数の飲食店やカフェにとってちょうど良いサイズ感となっています。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
製氷方式 | セル方式キューブアイス(28×28×32mm) | 小型店舗向け定番 |
1日製氷能力 | 24/26kg(20℃/15℃) 19/22kg(30℃/25℃) | 50Hz/60Hz |
貯氷量 | 自然落下:約8.5kg 最大ストック:約14kg | |
外形寸法 | 幅400×奥行450×高さ800(mm) | 脚を含む一体型 |
電源/消費電力 | 単相100V (50/60Hz)、240/250W | 定格電流5.5A|PF 0.55kVA |
年式の目安 | 1993~2005年ごろ | 現行「IM-25M」世代の一つ前 |
ポイント: 90年代から2000年代初期までに多く出回ったモデルで、中古市場でもまだまだ流通があります。ただし、製造から20年以上経過している個体も多く、消耗部品の交換や定期メンテナンスが必須となることが少なくありません。
2. 今回の故障症状:ゴムホース劣化で製氷不可
氷ができない原因はどこに?
最初のお問い合わせでは、「給水はされているのに氷がまったくできない」という症状でした。コンプレッサーや冷却ファンは動作しているため、冷却システム自体に大きなトラブルはなさそう。そこで分解してみると、循環用のゴムホースが裂けてしまい、製氷皿に十分な水が送られていないことが判明しました。

なぜゴムホースが劣化するのか?
- 経年劣化:製造から10年以上経つとEPDMゴムが硬化・亀裂を起こしやすい
- 塩素・オゾンの影響:水道水中の塩素や清掃時のオゾン水などによりゴムが脆化
- 負圧状態:ポンプで水を吸い上げる際にホースに負荷がかかり、亀裂が広がる
ゴムホースに穴や裂け目ができると、
- 給水そのものは行われるけれども、製氷皿まで水が回らない
- 逆に空気を吸い込んで、循環ポンプが十分に水を送れなくなる
- 結果的に「氷が全然できない」状態になる
このように、ゴムホースは製氷機にとって意外と重要な役割を果たしている部品なのです。
3. 作業工程:ホース交換・内部洗浄・凝縮器薬品洗浄
1. 前面パネル&貯氷ビン取り外し
- 前面ビスを外し、左右のスライドピンを外して貯氷ビンを上方に抜き取る
- 内部の循環ポンプユニットやホース配管にアクセス
2. 循環ポンプユニットの脱着
- 10mmソケット2本だけでユニットを簡易分離できる
- 配線・配管を丁寧に外し、ポンプの状態も確認
3. ゴムホース交換

- 古いホースを取り外し、新品の同径ホースを同じ長さ(約330mm)でカットして装着
- ホースバンドは錆びにくいSUS304ワンタッチ式に交換
- 裂け目のあったホースを確認すると、亀裂が数センチ走っていた
4. 内部クリーン&残渣洗浄
- クエン酸系の食品機械用洗浄剤を1%ほど希釈し、10~15分程度循環
- スケールや汚れが落ちたらリンス(すすぎ)をしっかり行う
5. 凝縮器の薬品洗浄
- アルカリフォームクリーナーを吹き付け、5分ほど反応させた後、逆方向から洗い流す
- 作業前は放熱フィンの温度差が50℃近くあったのが、作業後は38℃程度まで低下
6. 組立&試運転
- すべて元通りに組み立て、動作チェック
- 製氷2サイクル連続で試し、平均23分ほどで氷が落下
- 水漏れやエラーコードもなく、正常に作動していることを確認して完了

作業時間の目安:部品が手元にある場合は半日(2~3時間)ほどで終わります。ホース自体のパーツ価格は1,500~2,000円/m前後で、工賃を含む修理費は2~3万円程度が相場です。
4. IM-25シリーズで多いトラブル&修理費用の目安
IM-25L-1はロングセラーモデルゆえ、さまざまな故障事例が報告されています。下表は主なトラブルと修理費用の目安です。
故障モード | エラーコード | 原因 | 修理費用 | 予防策 |
---|---|---|---|---|
循環ホースの裂け | ― | EPDM劣化 | 2~3万円 | 5年に1回ペースの交換推奨 |
ファンモーター停止 | E7 | モーター焼損 | 2~4万円 | フィルター清掃の徹底 |
水位センサー誤作動 | E8 | リードスイッチ劣化 | 1~2万円 | 半年ごとの清掃&点検 |
制御基板の故障 | ― | 電解コンデンサ劣化 | 7~9万円 | 10年超の場合は買い替えも検討 |
ポイント: ゴムホースをはじめとする樹脂・ゴム部品は劣化しやすいため、5年を目安に点検・交換するのが理想的です。また、基板やコンプレッサーが故障すると修理費用が跳ね上がるので、状況次第では修理か買い替えかを検討する必要があります。
5. 修理か買い替えか?買取で損を減らす方法
製氷機の寿命は10年~15年といわれますが、修理費用が2~3万円程度に収まるならまだ延命可能です。ただし、複数箇所の故障が同時に起きている場合は、一度に大きな出費になるため買取を利用して買い替える方がトータルコストを抑えられるかもしれません。
年式や故障箇所による判断フレーム
年式 | 故障箇所 | 修理費 | 買取査定 | 推奨 |
---|---|---|---|---|
~7年 | ホースのみ | 2~3万円 | 0.8~1.5万円 | 修理で延命。今後も使う予定ならお得 |
8~10年 | ホース+ファン等 | 4~6万円 | 1~2万円 | 状況次第。大きな修理なら一度査定を取ると安心 |
10年以上 | 多点故障 | 7万円超 | 0.5~1万円 | 買い替え+高価買取が経済的 |
- 「単一部品の劣化だけなら修理がベスト」
- 「複数部品が同時にダメなら買い替え検討」
- 「年式10年以上で高額修理なら買取→後継機がおすすめ」
壊れた製氷機でも、再生リユースを前提とする業者なら最低1万円以上の査定が期待できます。通常は有料処分になるケースも多い中古製氷機ですが、故障状態を隠さず査定に出してみると意外な価格がつくことがあります。
6. 修理相談もOK!壊れた製氷機は高価買取します
当店では、
- 修理のご相談
- 故障状態のままの製氷機の高価買取
の両方に対応しています。今回のようにゴムホース1本の交換だけで治るなら、ぜひ修理をご検討ください。逆に、基板やコンプレッサーを含む大規模な故障が想定される場合は、壊れたままでもそのまま買い取ることが可能です。
修理だけでもOK!
- 「ファンは動いているが氷ができない」
- 「ゴムホースっぽいところから水がにじんでいる」
- 「A3、E7、E8などエラーコードが出ている」
症状や型式をLINEや問い合わせフォームでお知らせいただければ、概算の修理費用をお伝えいたします。部品の在庫状況によっては最短半日で作業が終わることもあります。
壊れていても高価買取
- 10年以上使っていて他の部品も不安
- 多点不具合で修理費が6万円を超えそう
- 新しい省エネモデルに切り替えたい
こうした理由で修理を断念する場合は、壊れていても買取を依頼することができます。通常は処分費用がかかるところ、再利用専門業者であれば1万円以上の査定がつくケースもあるので、処分費用をかけずに資金化できるメリットがあります。
7. まとめ:裂けたホースは早めに交換、ビジネスの流れを止めない
- IM-25L-1は25kgクラスの小規模店舗向け製氷機で、長く市場に出回っている定番機種
- ゴムホースの裂けは「給水できているのに氷ができない」症状を招く代表的な原因
- 修理費は部品+工賃で2~3万円が目安。半日ほどの作業で復旧することが多い
- 10年以上経過し複数箇所が故障している場合は、修理にかかる費用を考慮し、買取+買い替えを検討するのが得策
- 壊れたままでも高価買取できるので、処分前に一度査定をとるのがおすすめ
製氷機は24時間365日稼働し続けるため、ちょっとした部品の劣化が大きなトラブルに発展しがちです。特にゴムや樹脂は経年劣化が顕著なので、「まだ使えるから」と放置せず定期点検を欠かさないことが重要。
もしトラブルが起きてしまっても、「修理 or 買取」の2択を知っていれば、余計なコストをかけずに最適な解決策が見つかるはずです。気になる症状やご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
「裂けたホースを交換し、氷の流れとビジネスの流れを止めない」――日々のメンテナンスや早期修理が、飲食店経営の安定にも直結するポイントです。