
製氷機を設置・入れ替えするときに、意外とつまずきやすいのが 「給水」と「排水」。
でもポイントさえ押さえれば、作業自体はそこまで難しくありません。
この記事では、
- 給水:メーカーやサイズに左右されにくい 径13mm(呼び13)フレキ+専用パッキンの基本
- 排水:設置環境で変わる排水を、今回は一番シンプルな VP20(呼び20/3/4)+蛇腹で取り付け
この2本立てで解説します。動画も記事内に入れているので、手順を見ながら同時に確認できます。
この記事でわかること
- 製氷機の給水に必要な部材(基本は径13mmフレキ+専用パッキン)
- 給水接続の手順と「漏れやすいポイント」
- 排水方式が複数ある理由(設置環境で変わる)
- VP20(呼び20/3/4)と蛇腹を使った、簡単な排水接続の流れ
- 仕上げの確認(漏れチェック・試運転のコツ)
作業前の注意点
水回り作業は、状況によっては専門業者や有資格者の対応が必要になるケースがあります。
不安がある場合・止水栓が不明・水漏れリスクが高い場合は、無理せず設備業者に依頼してください。
また、作業前に必ず以下を実施してください。
- 製氷機の電源をOFF(可能ならコンセントを抜く)
- 止水栓を閉める(給水を止める)
- 床を濡らしてもいいようにタオル・バケツを準備
1. 製氷機の「給水」取り付け:基本は径13mmフレキ+専用パッキン
結論から言うと、給水はメーカーやサイズを問わず基本的に「径13mmのフレキシブルホース」+「専用パッキン」が必要になります。
ここがズレると水漏れの原因になるので、最初に部材を揃えるのが大事です。
給水に必要なもの(目安)
- 径13mm(呼び13)フレキシブルホース
- 専用パッキン(フレキ接続用)
- モンキーレンチ(またはスパナ)
- タオル・バケツ
- (必要に応じて)シールテープ
※パッキンで止水する接続なら基本不要なことが多いですが、接続形状によって使う場合があります。
給水取り付け(動画)
下の動画で、給水取り付けの流れをそのまま確認できます。
- 止水栓を閉める(水が出ない状態にする)
- 製氷機側・止水栓側の接続口を確認(ゴミや古いパッキンが残っていないかチェック)
- パッキンを正しく入れる
- フレキホースを接続(まず手締め → 最後に工具で軽く増し締め)
- 止水栓をゆっくり開けて、接続部から水漏れがないか確認
- 問題なければ電源を入れて、試運転へ
給水でよくあるミス(ここだけ注意)
- パッキンの入れ忘れ/ズレ → 水漏れの原因No.1
- 最初から工具で強く締めすぎる → パッキンが潰れて漏れることも
- 接続部のゴミ・サビを拭かずに締める → 密着せずにジワ漏れすることがある
「少し濡れるだけ」に見えても、放置すると床や木部が傷むので、最後は必ず乾いた状態で確認するのがおすすめです。
2. 製氷機の「排水」取り付け:設置環境で方法が変わる
排水は給水と違って、設置先の環境に依存します。
床排水なのか、壁排水なのか、近くに排水口があるのかないのか……で取り回しが変わります。
そのため排水は「これ1択!」になりにくく、いろいろな設置タイプが存在します。
今回紹介するのは「一番シンプル」な排水方法
今回は、比較的簡単にできる
- 塩ビパイプ:呼び20(VP20/3/4)
- 蛇腹ホース(ジャバラ)
を使った排水の取り付け手順を紹介します。
排水取り付け(動画)
排水に必要なもの(目安)
- VP20(呼び20/3/4)塩ビパイプ・必要な継手(L字など)
- 蛇腹ホース
- ホースバンド(固定用)
- 必要に応じて塩ビ用接着剤
- メジャー、ノコギリ(またはパイプカッター)
- タオル・バケツ
排水取り付けのポイント(失敗しないコツ)
- 排水は「自然に流れる」取り回しが基本(途中で上り坂を作らない)
- 排水先に突っ込みすぎない(逆流や臭い戻りの原因になりやすい)
- 蛇腹は便利だけど、たるませすぎると汚れが溜まりやすい
- 排水経路はできるだけ短く・曲げを少なくすると詰まりにくい
排水取り付けの流れ
- 排水口の位置を確認し、配管ルートを決める
- 製氷機側の排水口に合わせて、VP20(呼び20)を必要な長さにカット
- 継手を使って取り回しを作る(直線+必要最小限の曲げ)
- 蛇腹で排水口まで接続(必要に応じてホースバンドで固定)
- 水を流してみて、漏れ/逆流/溢れがないか確認
- 問題なければ試運転へ
3. 仕上げチェック:漏れ確認と試運転
給水・排水が終わったら、最後にここをチェックします。
チェックリスト
- 給水接続部から水漏れがない
- 排水がスムーズに流れる(溢れない、逆流しない)
- 本体周辺の床が濡れていない
- 初回運転で異音・異常表示がない
※初回は配管内の汚れが出ることもあるので、運転開始直後の氷は状態を見て、衛生面が気になる場合は最初の数回分を捨てる判断もおすすめです。
よくある質問
Q. 給水ホースは本当に径13mmで大丈夫?
多くの製氷機で給水は径13mm(呼び13)系が基本になります。
ただし設置状況・止水栓側の規格・機種によって例外もあり得るので、最終的には現物の接続口を確認してください。
Q. 排水がうまく流れない…
蛇腹のたるみ、曲げすぎ、途中の上り坂が原因になりやすいです。
まずは「水が自然に下へ流れる」ルートに調整してみてください。
使わなくなった製氷機、処分する前に「買取」という選択肢も
入れ替えや閉店で製氷機が不要になったとき、
「動くけど古い」「調子が悪い」「壊れているから処分」になりがちです。
でも、壊れていても価値が付くケースは珍しくありません。
処分費をかける前に、写真と型式だけでも確認してみるのがおすすめです。
氷の錬金術師では、製氷機の状態を見て再生・リユース前提で査定し、不要な製氷機の現金化をサポートしています。
