E8で止まるホシザキIM-25Mは、まずポンプ不良が定番です。実際、ポンプ交換で「動く状態」に戻ることはよくあります。
ただ、交換後に ①枠氷(穴あき氷)が増える/②製氷が1回45分もかかる なら、原因はポンプ“以外”の可能性が高いです。
枠氷は、いきなりガス漏れと決めつけずに、まずは
散水パイプの詰まり(=水が均等にかからない) と 本体の傾き(=水が片寄る) をチェック。
それでも改善せず、45分が続くなら、最後に 冷媒抜け(ガス漏れ)で冷えが落ちている可能性が濃厚です。
この記事では、「水の問題 → 設置の問題 → 冷えの問題」の順に切り分ける方法と、
修理10万円の前に試せる 「ガス充填だけで延命(約1万円)」 という現実的な選択肢まで解説します。
「E8・E1・E6」まずは落ち着いて意味を整理
今回ご相談いただいたのは、広島市中区のカレー店様(H様)。
機種は ホシザキ IM-25M(25kgタイプ/2011年ごろ)です。
表示は主に E8。途中で E1 が出たこともあり、最初は E6 も見えた気がする…という状況でした。
ここ、飲食店の現場だと“焦りのピーク”ですが、やることはシンプルです。
- E8:ポンプ異常(=水が回らない)
- E1:製氷(凍結)タイムアウト(冷え不足・放熱不良など)
- E6:大型機での電源系の話で出やすい表示。IM-25M(単相100V)では誤認・偶発の可能性が高いので、今回は深追いしません
今回の本丸はE8。ここを倒さないと何も始まりません。

E8が消えない…「抜き差しで粘る」が限界になった瞬間
H様の状況はこんな流れでした。
- E8が出る
- 電源の抜き差しで一時的に回避していた
- でも再発を繰り返し、ついに E8固定で停止
このパターン、かなり多いです。
「たまたま回った」だけなので、だんだん復帰しなくなります。
ここまで来たら、次の一手はほぼ決まります。
E8はポンプ。ここは交換で勝負できます
当店の判断は「まずポンプ」。
- E8=ポンプモーター異常の可能性が高い
- 再発するなら、部品交換が現実的
- 交換で復活するケースが多い
今回は、当店から 中古ポンプモーター(送料込20,000円)をご用意し、
お客様ご自身で交換(DIY)できるよう、LINEで
- 交換の流れ(画像・説明)
- 必要工具の目安(プライヤー/ペンチ等)
- つまずきポイント(コネクタ、固定ボルト、復旧)
をまとめてサポートしました。
結果――
「動くようには直りました」
ここまでは満点です。
でも、今回はここからが“本番”でした。
直ったのに氷が薄い?
交換後、H様から届いたのがこの症状。
- 枠氷(穴あき氷)が増えた
- 1回の製氷に 45分くらいかかる
- 朝に「穴あきっぽい氷」がまとまってできている

ここで大事なのは、氷の見た目だけで決め打ちしないことです。
枠氷には「水のかかり方」の問題も「冷え」の問題もあります。
なので、いきなり「ガス漏れだ!」ではなく――
まず“枠氷の基本チェック”を挟むのがプロの手順です。
ガス漏れを疑う前に、まずはこれをチェック!
1)散水パイプの詰まり:水が均等にかかってますか?
枠氷(穴あき氷)は、ざっくり言うと
「水が偏ってかかって、中心まで育たない」と起きます。
よくあるのが 散水パイプ(上から水をまくところ)の目詰まり。
- 水アカ・スケール
- ゴミ詰まり
- 一部の穴だけ細くなる
こうなると、片側だけ育つ/中心が抜けるみたいな氷になります。
見方のコツ
- 可能なら「製氷中に水が均等に落ちているか」
- 一部だけチョロチョロ/ほとんど出てない穴がないか
※安全のため、内部作業は無理をしないでください。写真や動画を送ってもらえれば、こちらで判断します。
2)本体の傾き:水平じゃないと水が片寄ります
次に多いのが 設置の傾き。
製氷機は水平が基本。
傾いていると、水が片側に寄って 枠氷になりやすいです。
さらに、傾きがあると関連して起きやすいのがこれ。
- 貯氷スイッチ(白い棒)の誤作動
→ 氷が溜まったと誤認して変な止まり方をする/サイクルが乱れる
チェックは簡単
- 置き直しできる環境なら、水平器 or スマホ水平アプリで確認
- 足の調整(アジャスター)で水平に寄せる
ここまでやっても「45分かかる」なら、話が変わります
散水パイプも問題なさそう。
水平もOK。貯氷スイッチも明らかな引っかかりはない。
それでも 製氷が45分。
この「時間」は、プロ目線だとかなり強いシグナルです。
それでも45分なら、ガス漏れ(冷媒抜け)が濃厚です
製氷が遅い=ざっくり言うと 冷やす力が落ちている可能性が高いです。
冷やす力が落ちる代表格が ガス漏れ(冷媒抜け)。
冷媒は製氷機の“冷えの源”。
これが抜けてくると、
- 氷が薄い/中心が育たない(枠氷になりやすい)
- 1サイクルが異常に長い
- そのうちE1が出たり、氷ができなくなったりする
という流れになりがちです。
今回のH様は、まさに
「ポンプ(E8)は直った。でも冷えが弱い」
このパターンに当てはまる可能性が高い、という診断でした。
修理10万円の前に、1万円で延命する“現実的な裏技”
ガス漏れを「きちんと完治」させるには、
- 漏れ箇所の特定
- 溶接/部品交換
- 真空引き
- 規定量充填
…と工程が多く、見積が 10万円コースになりやすいです。
そこで現場で効くのが、この“言い方”。
裏技:メーカーに「修理」じゃなく“ガス充填だけ”を相談する
メーカーはまず「修理込みの見積」を提示してきます。
そこで、こちらからこう言うのがコツです。
「漏れ修理の見積は一旦保留で大丈夫です。
今回はガス充填だけお願いできませんか?」
出張費+作業費込みで 1万円前後でやってもらえる可能性があります
(地域・窓口・方針で変動します)。
もちろん、完治ではありません。
でも、漏れが小さければ しばらく延命できることがあります。
「今すぐ買い替え」以外の現実解として、知っておくと強いです。
「当店のガス代800円」の条件
当店側で対応できる場合、ガス代として 目安800円で作業できるケースがあります。
ただし、これは下記条件が前提です。
- 持ち込み、または配送(送料お客様負担)が必要な場合の作業費目安です。
- 出張修理での価格ではありません。
- あくまで延命措置であり、完治保証ではありません。
冷媒作業は専門知識・機材が必要です。
一般の方がDIYで触るのは危険なので、ここは必ずプロに任せてください。
まとめ:E8はポンプ。でも「枠氷+45分」なら次の一手がある
今回の流れは、製氷機トラブルの“典型的な二段構え”でした。
- E8(ポンプ) → 交換で復活
- 枠氷(穴あき) → まず散水パイプと水平をチェック
- それでも 45分 → ガス漏れ濃厚。充填だけで延命という選択肢も
「部品売って終わり」ではなく、
直った後の“違和感”まで一緒に追います。
それが、氷の錬金術師が“駆け込み寺”と言われる理由です。
\ 写真を送れば、ここまで見ます /
「E8が消えない」「氷が薄い」「枠氷が増えた」
そんな時は、諦める前に一度見せてください。
送ってほしいもの(これだけでOK)
- 型式ラベル写真(IM-25Mなど)
- エラー表示の写真(E8/E1など)
- 氷の写真(枠氷・薄い等)
- 1回の製氷に何分くらいか(だいたいでOK)
- できれば散水の様子(短い動画だと判断が早いです)
※安全のため、分解作業や通電状態での作業は無理に行わないでください。
※冷媒(ガス)に関する作業は、必ずメーカー/有資格者に依頼してください。
